CYBER JAPAN DANCERS PHOTO BOOK HOLIDAY★G 1997年にイギリスのラスキン・ギャラリー、神奈川県立近代美術館、郡山市立美術館を巡回した展覧会のカタログです。\r\rジョン・ラスキンが、明治以降の日本の近代にはかり知れない影響を与えた人であることは言うまでもありませんが、その多角的な様相を細かく調査し、イギリスのラスキン・ギャラリーの協力も得て、展覧会という形式にまとめたこの巡回展は、エポック・メイキングなものでした。以降のラスキン研究(のみならず、ウィリアム・モリスと日本の関係なども含め)にとって画期となる「事件」だったと言っていいかもしれません。海外ベースの研究者、渡辺俊夫と菊池裕子が企画に関わっていたことが、おそらくは、この展覧会が凡百の名作展とは異なるものになった要因の一つではないかと思われます。絵画だけではなく、建築、工芸などにも目が配られています。\r\rその内容が詳しくまとめられ、充実した論文も資料情報も掲載されているのが本カタログです。図版も豊富で、ラスキンや日本における風景表象の展開、はたまた大正デモクラシーの波などに関心のある方には、とても役に立つものと思います。\r\r外装が、フェルトっぽい特殊な質感の布を使っているためか、経年で背のに薄いシミのような跡が出てきていますが(写真でご確認ください)、それ以外は全く傷も汚れも書き込みもありません。既に入手困難な一冊で、価格も高騰していますが、背の状態を考慮して、可能な限りお求め安いところに設定しました。